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日と月【刀剣乱舞】

第1章 眠り姫



翌日も葡萄の収穫を任されて葡萄棚に行ったら、光忠が黒葡萄の収穫をしている。

「やあ、おはよう日光君。主なら、別の葡萄棚へ収穫しに行ってるよ」
「そうか」
「主の部屋の前にある庭へ行ってみて。きっといると思うから」
「ああ、行ってみるとしよう」

主の部屋の前にも葡萄棚があるんだよと光忠に聞かされて、主の庭へと急ぐ。
流石、長い間主と共に過ごしてきただけある。

本丸内の構図や庭に何があるのかしっかり把握しているから、行き方まで詳しく説明してくれて。
教えられた通りに進むと、緑の屋根が付いた場所に辿り着いた。

「…本当に、あるんだな」

少し離れた場所からはパチン、パチンと何かを切る音が聞こえて、
音がする方へ行ってみれば主が葡萄を収穫している。

「…あ」

葡萄に手を伸ばして、手が届かないことに気付いて肩を落としている。

「まさか、こんな所にも葡萄棚があるなんてな。しかも、黒くない葡萄か」
「そう。黄緑色してるけど、白葡萄って言うのよ。
日光、丁度いい時に来てくれたわ。あの葡萄、取ってくれないかな」
「いいだろう」

日光はハサミを受け取ると、主が指した場所の葡萄を枝から切り離して手渡す。
自分が長身でよかったと思った瞬間でもあった。

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