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日と月【刀剣乱舞】

第1章 眠り姫



日光の力を見込んで部隊長に就任させたり、近侍になってもらっている。
愛想はないが仕事はこなすし、頼れる太刀だ。

「光忠ー。…あれ?光忠ー?」

本丸内をパタパタと歩き回り、短刀や脇差達に燭台切光忠がいないか聞いて回る。

「光坊なら、日光と手合わせ中だぜ?」
「…そっか、今日は日光と手合わせだったっけ?」

早速覗いてみよう、と道場に足を運んだ。
正直、道場にはあまり近寄らない事にしている。
山姥切長義と山姥切国広が手合わせをした際、長義の刀が飛んできて頬を怪我した事があるから。

「あれ、トラウマなんだよね…」

道場からは掛け声や刀がぶつかる音が聞こえてきて、本気で鍛錬しているのだと伺えた。

「本気で来い、燭台切光忠!」
「ああ、言われなくても!手加減なんて、格好悪いだけだからねぇ!!!」

2人の声が道場の外にまで聞こえてきて、道場の戸を開いてはみたが、
本気で鍛錬している2人を見て、邪魔する訳にはいかないなと静かに戸を閉めた。

「代わりを探そう…」

一通り本丸の庭や建物の中を歩いた。
重たいものを運んでもらうことになるから、短刀や脇差達を頼る訳には…。
と、考え込みながら廊下を歩いていると、誰かにぶつかってしまった。

「っ!」
「小鳥よ、何か悩み事でもあるのかな?」
「さ、ん…山鳥毛…どうしてここに」

手合わせを日光と交代し、休憩をと話してくれた。
だからさっき燭台切光忠と日光一文字が手合わせをしていたのかと納得できた。

「して、何を悩んでいるのかな?」
「買い出しに行くんだけど、自分1人だけで持って帰れるかな…って」
「成程」

山鳥毛には、ぶつかってしまったことを詫びた。

「その買い出し、私が付き合おう」
「いえいえ……。山鳥毛の手を煩わせる訳には…」
「小鳥、確かに私は一文字一家の長ではあるが君の持ち刀でもある。
何かあれば、遠慮なく頼りにしてくれて構わない」

他の刀を探しているうちに時間だけが過ぎていくことに気が付いて、
今は近侍の山鳥毛を頼ることにした。

「じゃあ…、お願いしようかな…」
「よしきた」

山鳥毛はすぐに身支度を整えて主のもとに戻ってきて、
近くにいる刀達に主の買い出しに付き添うと言った。

「では、行ってきます」

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