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日と月【刀剣乱舞】

第1章 眠り姫



裸足のまま部屋へと向かう主。
その後ろ姿を見送っていたが、日光は主をふわりと横抱きで抱き上げる。

「に、日光…?!」
「足を怪我したら、歩けなくなるぞ。主は俺が部屋に運んでやろう」
「わ、私重たいから!下ろして!」

実際に抱き上げた主は、想像していたよりも身体が軽い。
寝起きだからだろうが、心配にもなる。

「お頭が主を抱き上げられるのなら、俺にも抱き上げることは出来る。
案ずるな、しっかり掴まっていろ」

主はそっぽを向いていたが、日光本人はそんなこと気にも留めずに本丸へと向かっていく。
ぶっきらぼうだし言葉遣いが上から目線だけど、こうして身を案じてくれる日光は本当は優しい刀なんだと、改めて実感した。

「…………」
「…なんだ、俺の顔に何か」

部屋に運ばれる途中で日光と目が合った。
彼はぶっきらぼうなだけで本当は優しいんだと分かって、ふふっと笑っている。

「何でもなーい」

日光の首に腕を回し、落ちないようにと身を寄せた。
頼られていると分かったのか、日光の口角も少し上がっている。

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