第59章 一泊 ✴︎
「お前は本当に可愛い奴だな。」
『っ、もう!揶揄わないで!!』
「さっき抱いてる時の美緒も可愛くて綺麗だったぞ?」
『か、揶揄わないでって言ってるの聞こえないの!?』
「はははっ」
体が温まるまで夜景を楽しみながら湯船に浸かり
満足したところで私達は浴室を出た。
肌触りの良すぎるバスローブをお互いに身につけて
私は洗面所で1人、肌のケアをして髪を乾かしていると
赤井さんがスマホを片手にやってきた。
「ジェイムズから電話がかかってきたから
あっちの部屋で少し電話してくる。」
赤井さんが指を指したのは
リビングの隣にある仕事部屋スペースのような場所。
たぶん長期滞在する人のためにある部屋なのかもしれない。
『分かった!
髪乾かしたらのんびりしてるね。』
「悪いな。」
私の頭を優しく撫でた後、赤井さんは洗面所を出て行った。
やっぱりFBIの仕事って大変なんだ…
休みの日にも上司から電話がかかってくるなんて
赤井さんの休日はきっとないに等しいはず。
結婚して一緒になったら
ドタキャンはしょっちゅうあるかもしれないなぁ…
…ん?
『……私…何考えてんの!?』
何勝手に赤井さんと結婚した時の事想像してんの!?
痛い、痛い女すぎる…。
まだプロポーズをされた訳でもないのに
変な妄想をするなんて…。
でも赤井さんもショッピングモールを出た時
私との子供がどうとか言ってたし
赤井さんもいつか私と一緒になりたいと
思ってくれているのかもしれない…
そう考えると顔が自然とニヤけてきてしまい
幸せな気分のまま髪を乾かし終えた私は
赤井さんの電話の邪魔にならないように
寝室のベットに寝転がった。
さっきは体を重ねることに夢中で気付かなかったけど
この寝室にも大きな窓があるから
ベットで横になっても夜の空が見える。
『今日…楽しかったなぁ…』
これからも赤井さんと
今日みたいに楽しい時間を過ごしていきたい。
ずっとあの人と一緒にいたい…
夜空を見ながらぼーっとそんな事を考えていると
情事の疲れもあって、私はいつの間にか眠ってしまっていた。