第15章 ダブリスの獣たち
ドルチェットさんが前に出て、「また、力づくかよ」と嘆く。
「殺すなよ」
「へいへい。でも、骨の一本や二本はご愛嬌です……ぜ!!」
刀を抜くと同時に斬りかかるドルチェットさんだったが、それよりも早くエドワードくんは上空へと飛んでいた。
「遅ぇな。どっかの死刑囚よりも全然遅ぇ」
そして、そのまま体重を乗せた拳をドルチェットさんの顔面に叩きこんだ。
それが、グリードの癇に障ったのか、彼はアルフォンスくんを別の場所に移し解体して解析をすると言った。
「彼に危害は加えないと……!!」
「こっちも大事な仲間やられたんだ。お互い様だろ?」
ロアさんが、アルフォンスくんを軽々と担ぐと足早に部屋を出て行った。
私とエドワードくんで阻止をしようとしたが、グリードによってそれは阻まれた。
ああ、どうしたらいい。
イズミさんを傷つけたこの男をエドワードくん一人に任せることなんて……。
でも、アルフォンスくんを追いかけなければ、彼は……。
私が思い悩んでいると、彼が私の名前を呼んだ。
彼の金色の瞳が私を見ている。
意思の強い眼差しから伝わる、彼の声。
そうですよね、あなたはいつだってそうだ。
自分のことより他人のことばかり。
エドワードくんが動き出したのは、私が小さく笑うのと同時だった。
地面に手をつき、足場を錬成したエドワードくんは、グリードに向かって攻撃を繰りだす。
私はその隙に部屋を出て、アルフォンスくんの後を追いかけた。