第15章 ダブリスの獣たち
「師匠。オレ、そいつの所に行って来ます」
「一人でか⁉」
「自分たちの問題だから、オレ一人で」
これ以上、師匠を巻き込むわけにはいかない。
師匠だけじゃない、シグさんもメイスンさんも。
師匠は「危ない所に一人で行かせられない」と怒ってくれたけど、それはオレも同じです、師匠。
危ない所に師匠を連れていけない。
「大丈夫ですよ!!ほら!あっちはオレ達の情報を欲しがってるだけだから!!殺されるような事はないだろうし!ね!」
オレの苦しい言い分に呆れたのか、それとも気持ちを汲んでくれたのか、それはわからないけど、師匠は案外簡単に引き下がってくれた。
「………晩ごはんまでには帰ってきなさいよ」
「……あ、はいっ!」
それはささやかな願い。
破るわけにはいかないな、師匠との約束だもん。
「ここが奴らのアジトだよ」
「ありがとうございます!」
地図の書かれた紙を師匠から貰い、オレは裏口から外へと出る。
紙にはデビルズネストと書かれていて、目的の場所は黒く塗りつぶされている。
今日の晩めし、なんだろうな。
早く帰らなくちゃな。
…………………………………。
…………………………………。
…………………………………。
ふつふつと湧き起こる感情をぶつけるように、地図の書かれた紙を握りつぶした。