第8章 因果呪縛を解く
信者達は終始にこやかに話をしてくれた。
天元を至高とする教義、
奈良時代から続く伝統ある宗教であること……
星漿体のことは分からなかったが、そこまで歴史のある宗教団体なら呪術界側も何らか把握しているはず。
高専の資料を漁ってみようかと思案しながら、その後も話を聞き、しっかり住所と連絡先まで聞き出して伽那夛は任務に戻った。
その後最短で任務を終わらせ、帰る道中に盤星教のことを調べ始めると、目的の情報は割とすぐに見つかった。
「……これだわ」
伽那夛が見ているのはタブレット端末に映された盤星教の経典。
そこには星漿体が“穢れ”とされ、天元と星漿体の同化は禁忌であると記されていた。
盤星教はこの禁忌を破らぬために甚爾に星漿体暗殺の依頼をしたのだ。
伽那夛はタブレットの画面を静かに閉じる。
これでおおまかな全体像は掴めた。
次はどうやって暗殺を諦めさせるか。
甚爾に仕事を諦めてもらうには2つ、
直接妨害するか、仕事自体を無かったことにするかのどちらかだ。
前者は考えるまでもない。
伽那夛では実力行使で甚爾を止めることは不可能、それ以前に逃げられたら呪力を辿ることができないため追うことすら困難になる。