第8章 因果呪縛を解く
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それは、とある村で御神体として祀られているという呪物の破壊任務だった。
通常なら呪物を回収して封印を施すところだが、その呪物は持ち運びできるようなサイズではなかったため、その場で破壊するしかないと判断された。
「私は別任務の送迎がありますので、2日後にお迎えに上がります。村に民宿があるので、宿泊はそちらで」
「分かったわ、それまでに呪物を破壊しておくわね」
車が入れるギリギリの所まで送ってもらい、後は山登りだ。
この山奥に目的の呪物がある。
かつては山神が宿るとして村人が山に入り、祈りを捧げていたらしいが、信仰している村人のほとんどが高齢化、村には仕事がないため若者は出て行く一方で、山に入る人間がいなくなって久しいという。
その話を裏付けるように登山道の入り口の立札は倒れ、草木が鬱蒼と生い茂り、道とそれ以外の区別がほとんどつかなかった。
酷い状態だが、山の上から流れてくる呪物の呪力を辿れば、道に迷うことはなさそうなのが幸いか。
一定間隔で自分の呪力を込めた石を落としていけば下山時も問題ない。
伽那夛は自分の背丈ほどもある草木をかき分け、山に入って行った。
前後はもちろん、右を見ても左を見ても緑の海。
唯一、地面の傾斜で上に登っていることだけは分かるが、山の景色を楽しむどころか草木の根や石に足を取られないようするのが精一杯。
登り始めてしばらく経つが、だんだん嫌気が差してきた。
術式を使って跳んでいけばもっと早く行けるのでは?
そもそも車ではなく、ヘリをチャーターして呪物の場所まで飛んだ方がよかったのでは?
……まぁ、跳ぶのは呪力効率があまり良くなく、いざ呪物を破壊する時に呪力不足なんてことになったら無駄足になるし、ヘリにしても呪物に寄ってきた呪霊に攻撃されたら墜落して危ない。