第8章 因果呪縛を解く
だが、
「無下限の攻略法は用意してる。聞きたいのは奴が全力出した時の術式範囲、全力の時に術式対象の細かな選別ができるかどうか、あと反転術式を使えるか」
「…………無下限呪術の術式対象は悟自身よ。全力の時もそこは変わらない」
長い沈黙の後、伽那夛は渋い顔で口を開いた。
「それはニュートラルの無下限呪術の話だろ、蒼や赫は?」
「無下限呪術のことは下調べ済みという訳ね、意地が悪い」
思わず悪態が出る。
「蒼の全力は高専の建物を4、5棟まとめて吹き飛ばすくらい……と聞いたわ。5ヶ月くらい前の話だから、今はもっと広いと思う。周囲のものを吸い込む蒼の性質上、術式対象の選別はほぼできないでしょうね」
こうなってしまった以上、食べなきゃ損と言わんばかりに伽那夛は料理を食べ始め、できる限りゆっくり味わってから次の話題を切り出す。
「あと、悟は反転術式を使えない。まぁ、負傷しないんだから使えなくても特に問題ないのだけど。だから術式反転の赫も使えない」
「成程な。術式の継続時間は最長でどんなもんだ?」
「いくら悟が化物じみた強さを持っていても人間だもの、睡眠中に術式を発動させるなんてできないから、最長24時間というところが妥当じゃない?」
「なら、徹夜すればそれ以上いけるな」
「無理があるでしょ!疲労と眠気で集中力が落ちたら術式を維持できないわ」
「オマエは?」
「はい?」
「オマエは連続で何時間術式を使ったことある?」
「!」
そう問われて真っ先に一番キツかった任務を思い出す。