第8章 因果呪縛を解く
「悟だけじゃない、高専に逃げ込まれたらその結界を素通りできるのはあなただけ。単騎で高専の術師全てを相手にするのは無謀すぎる。それこそあなたの大嫌いな“タダ働き”よ?」
「そうならねぇように、ここでオマエから情報を聞こうとしてんだよ」
「だったらほとんど無駄ではないかしら?悟の無下限呪術の弱点なんて知らないわ。大体、触れることもできないのにどうやって対策するつもりよ?」
ここで伽那夛は少し嘘をついた。
無下限呪術の弱点……と言えるかは微妙だが、突破する方法を知らない訳ではないのだ。
五条悟と同じ六眼と無下限呪術を併せ持ったかつての五条家当主は、禪院家当主との御前試合で相討ちとなったという記録が残っている。
同じような状況を再現できれば可能性はある。
しかし、今の禪院家には当時の禪院家当主と同じ術式を持った者はいない。
もしいたとしても命を懸けてまで甚爾に協力するとは考えられなかった。
だから『知らない』と答えた。
甚爾に諦めてほしかった。