第8章 因果呪縛を解く
「全く、振り回してくれるじゃない……護衛任務のためにどれだけの人員が割かれているのか、悟は分かってないのかしら!?」
携帯電話を握り潰したくなったものの、そこはぐっと我慢する。
物に当たるなんて子供みたいなことしないんだから!
だが、星漿体を狙っている呪詛師は別だ。
手近にいた式神使いの呪詛師に電撃ビンタをお見舞いして文字通り黙らせ、補助監督が呪詛師拘束のために確保した一室へ容赦なく投げ込む。
次は呪符を持っている呪詛師、
その次は利用客にガンを飛ばしていた呪詛師、
更に……
「どうして!私が!アイツの!わがままに付き合わなくちゃいけないのよ!!」
「本ッ当に自己中心的なんだから!」
悪態をつきながら次々と呪詛師を捕まえていく姿は、限りなく八つ当たりに近かった。
「オイ、随分なことしてくれんじゃねぇか」
呪詛師側も伽那夛が目に付いたのか、ご丁寧に結界を張って複数人でこちらに寄ってくる。
「ちょうどいいわ。あなた達、どうして羽田空港に集まっているの?」
「ケッ、誰が言うかよ」
「ふうん、自分達の置かれた状況が分かっていないようね」
伽那夛はゆっくりと歩み寄り、呪力を込めた手で呪詛師の肩に触れる。
「ギャァーッ!?」
身体中を電流が走る激痛に呪詛師は悲鳴を上げた。
「早く言った方が賢明よ?私、戦闘だけじゃなくて、拷問もそれなりに得意なの。痛いのは嫌でしょう?」
10分も経たない内に伽那夛に声をかけてきた呪詛師達は全員恐れおののき、腰を抜かして座り込んでいた。
「ヒィッ、言います、言いますからもう許してっ」
「早く言えばよかったものを。まぁいいわ、あなた達は何の目的でここに集まっているの?」
「……あ、ある仕事でここに来る中坊を狙ってた」
「誰から依頼されたのかしら?」
「し、知らねぇ!お、俺はこの掲示板を見ただけだ」
そう言って男は震える手で携帯電話の画面を見せてくる。