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術師殺しと箱入り娘【呪術廻戦】

第8章 因果呪縛を解く



予想とは全く違う返答に九十九は目を丸くして問い返す。

「呪術界を敵に回すってことだよ?」

「今を生きる人を犠牲にして成り立つ社会よ?言わば人身御供、相当時代錯誤だし、そちらの方が間違ってると思わない?」

大仰に肩をすくめる伽那夛に九十九は思わず笑っていた。
目前の少女への警戒感も一気に解ける。

「あははっ、君、イカれてるって言われない?」

「言われたことないわね。私より余程イカれてる人間がいるもの」


「でも本当にいいのかい?表沙汰になったら呪術界を追われるのは君だよ?」

「その辺りの心配はいらないわ。先頭に立って旗を振るのは私じゃないもの」

「……まさか五条君?」

「ふふっ、さぁ、どの五条かしらね?……私がやりたいことは2つ。星漿体の同化の阻止と殺し屋の仕事の阻止。同化の方は悟が星漿体の意思を尊重すると言っていて、最終的にわがまま言って止めそうだから、メインは暗殺阻止ね」

「雇われた殺し屋って禪院甚爾だろ?どうやって止めるの?」

「そんなことまで知っているのね。まぁ確かに実力行使で阻止するのは無理だけど……彼の嫌いなものを知っているかしら?」

九十九が分からないといったふうに肩をすくめるのを見て、伽那夛はニヤリと笑って続けた。

「タダ働きよ。具体的に言うと雇い主である盤星教に殺しの依頼を取り下げさせる」

「取り下げさせるって簡単に言うけど、それも難しいと思うよ?」

信念を貫く宗教団体というものは説得にも聞く耳を持たないはずだ。

「それは私の用意できる交渉カード次第というところね。あなたが首を縦に振ってくれればかなり強力なカードになる」

「……私に何をしてほしい?」

「星漿体を海外に逃がしてほしいの。あなたなら海外にもパイプがあるでしょう?」

「驚いたな。星漿体を逃がすことまで考えていたんだ?」

当然よ、と答えた伽那夛に九十九は更に驚いた。

普通の高専生なら同化の阻止までで満足してしまい、その後星漿体が呪術界に追い回されることまで考えが及ばないだろう。

仮に何か裏があったとしてもこの口振りなら星漿体を無碍にすることはない。


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