第6章 貴方って
「みなみさんもよく知っているんだろう?この町の事を。だから自衛も兼ねて言っているんだ」
『はい...』
警察にそう言われるとやっぱり説得力があると言うか...
「みなみさんが居なくなったら悲しいからな」
そう話す零の横顔は何だか少し寂しげで。
当たり前のように繋がれてる手を少しだけ強く握り返した。
『大丈夫だよ』
「そうであって貰わなきゃ困るよ 全く」
『気をつけます...』
零に車で拾って貰った場所からホテルまではあっという間で、もうホテルのすぐ側で車を停車させる。
「なあ、みなみさん」
『ん?』
「みなみさんはそのホテルにいつまで居るんだ?そっちがどうなっているかは知らないけど、公安がみなみさんの住まいを用意したいんだ」
『えっ...それは、でも...』
「今のみなみさんは身分を証明出来る物が無いだろう?無きゃこの先困る筈さ。そういうのはこっちで用意するから...」
思ってもみなかった提案だった。
確かにずっとホテル住まいをする訳にもいかないし、けど...勝手に進めるのも駄目だろうし...
なんて少し困っていたら、まだ途中な筈の零の話を遮るかの様に
背を向けていた窓からコンコンとノックする音がして
体勢を戻し、窓を見ればそこに居るのは沖矢さんだった。
真純ちゃんとの話の後に今の零との話で、そこから窓越しに沖矢さんを前にすると変な緊張感が。
どうしてまたタイミング良くここに...