第6章 貴方って
一人に戻った瞬間、脳内がまた混乱してくる
だって...もう そうとしか思えなくって。
ただ一つ言えるのは、これは嫌悪感とかでは無くて
だって...赤井秀一っていう登場人物があんなにも好きだったから...
これからはどんな顔して沖矢さんに会えば良いんだろう...
スマホを確認すると丁度沖矢さんからメッセージが。
“みなみさんの都合が宜しければ、今夜食事でもどうですか?”
と。
沖矢さんに会いたいけれど、少し複雑な気持ちもあり
普通に考えれば沖矢さんの正体が赤井秀一って言うのは嬉しい筈なのに
きっとそれだけ混乱しているのだと自分に言い聞かせた。
後ろから車のクラクションが聞こえて、振り向くと見覚えのあるRX-7が。
こっちを見て微笑む零の所へ駆けると、開けてくれた窓から
「みなみさんかと思って、送っていく。乗って?」
そう言われ、助手席へ。
『お邪魔します... ありがとう、零』
「良いさ、それより...遅くないか?どこか寄ってたのか?」
『そのまま帰るのも何だかなって思って...散歩してたよ』
「散歩は良いけど...暗い時間はダメだからな?僕は直ぐにみなみさんを助けに行けないし...まあ、一人暇そうな奴なら居るかもしれないが」
『そんな...大袈裟だよ、私なら大丈夫だからさ』
零の言う、暇をしてそうな人ってのは沖矢さんだろうな...
零は沖矢さんの正体を知っているからこそ、何かの因縁でそうなっているのかな。
当たり前だけど、もうあれ以上聞く事はしない。