第6章 貴方って
建物の隙間から見える夕陽をボーッと見上げながら煙を吸って、それを吐き出す行為を繰り返していると
こっちへ向かってくる足音が聞こえて。
『!真純ちゃん?!』
急いで煙草を消して携帯灰皿の中へ吸殻を入れる。
「急がなくて大丈夫さ、驚かして悪かったね」
『ごめんね...ううん、大丈夫だよ。どうしたの?』
「いや、ボクはまだみなみさんとは話し足りない事があってさ。偶通りかかったらみなみさんの姿が見えたから」
『そう...なの?話し足りない事?』
「なあ。アンタ、本当は何者なんだ?」
まさかの質問に驚いて心臓に来る...
なるほど、やっぱりこの世界の高校生探偵の目は侮れないね...
私を見る真純ちゃんの瞳は真っ直ぐでもあって、どこか確信めいていて。
『えっ...と?』
もしかしたら真純ちゃんには嘘が通用しないかもしれない
「沖矢昴。その人を知ってるだろう?」
真純ちゃんの口から沖矢さんの名前が出てくると思わなかった
『その人が...どうかしたの?』
「ボク見たんだよ、みなみさんと沖矢昴が一緒に居る所を!」
いつ見られていたんだろう...
『沖矢さんとは大学院生だった頃の友人だよ』
「じゃあどうしてさっき 蘭君に彼氏が居るか聞いた時、蘭ちゃん“も”って聞いたんだよ。まるで園子君にも彼氏が居るって事を知っている上で聞いたみたいにさ」
しまった...私そんな風に聞いていたとは...
『ほら...今の女子高生って、大体みんな彼氏が居るものだと思っているからさ?園子ちゃんモテそうだし』
あれ 今度はジト目になってる...