第25章 新しい生活は
顎に手を添えながら考える彼の口から出てきた言葉に驚いた。
まさにその通りだと言いたい所だったけど。
『あはは…どう、なんでしょうね…記憶が戻れば良いけど、難しそうだし』
「記憶が戻らないのは貴女の様なか弱い女性には不安でもありますね」
『怖くなったりはしますね…』
「では、貴女の記憶を戻すのを手伝いましょう」
『手伝う…?』
「ええ、時間はかかっても良いんです。貴女がそれさえ戻れば」
『戻れば… そうですね、私も早く自分がどんな生活をしていたか知りたいですし』
『だけど、彼にはなんて言ったら良いか…今日だって黙って家を出てきたし、それを許してくれるかは』
「きっと大丈夫ですよ。ですが念の為に」
そう言いながら彼は、ペンで紙に何かを書いている。
「何かありましたらこちらに」
彼の番号が書かれた紙を渡された。
『ありがとうございます…』
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「おい灰原、買い物行かねえのか?って…何やってんだお前」
「全くもう…じれったいわね」
「そんなとこで覗き見しても、どうせ昴さんにはバレてるぞ」
「そんなの良いのよ、それより貴方も隠れなさい!」
「ったく…」
「もうさっさと明かしちゃいなさいよ!お前の恋人は俺なんだ、って!」
「そんな事したら余計みなみさんが混乱するだけだろ?昴さんだって本当は正体を明かしてありのままでみなみさんと居たいだろ」
「あら、まるでどっかの見た目は子供だけど中身は高校生の誰かさんと同じね」
「っうるせ」
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