第25章 新しい生活は
「へえ。そうは見えないけど?彼女の様な人間は組織からすれば良い玩具ね」
「玩具だなんて。彼女の事を組織が鵜呑みにするとでも?あの方達は随分と頭がキレる様ですから」
「キレるからこそよ。ま、彼女のトリックは私も興味があるけど?そうね…案外簡単に口を割ってくれそうだけど」
「トリックって…」
「簡単よ。最近この町をどこか怯えた様子でうろうろしている彼女を攫うなんてね」
なんて事だ。
きっとベルモットの言うそれは最近のみなみさんの事だろう。
僕もみなみさんがまさかあんな事になっていたとは思わなかったから
彼女に見られていたとは
「組織は今それどころでは無さそうなのは貴女もお分かりですよね」
「もう、冗談よ」
「分かってますよ」
ベルモットは鼻で笑ってみせたが、彼女が冗談だと言う確証は無い
みなみさんの記憶はいつ戻るのか分からないし
そもそもの記憶喪失の原因が未だ確かでは無いし
せめてみなみさんの記憶が戻ってくれれば、色々と話がしやすい
が、まずは僕の事を信用して貰うのが第一だ。
さっきみなみさんに触れた時、僕を警戒していながらも受け入れてくれた
またこうして居られるのは素直に嬉しい事さ まあ、邪魔が入ったけど
後は僕が撒いておいたヒントにみなみさんが食い付いてくれれば。
だけどそれを見て、更に警戒するのか、少しは僕を信用してくれるのか
それともその二つの感情に揺さぶられるのか…
これは賭けでもある。
早速その賭けに入ったみたいだ。
ズボンのポケットに入れたスマホからバイブ音が鳴った。
ヒントを撒いておいた場所には全て見えない位置に探知機を付けておいたから
彼女が何かを触ればすぐ僕には分かる
さあ、勘の良いみなみさんはどう出るかな。
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