第25章 新しい生活は
唇が離れて、見つめ合うとまた重なって
部屋着越しに、腰から背中まで手を滑らす際の温度が伝わってくる
膝の上に乗せられると次第に湿ったキスに変わっていく。
そのまま体をくるりとベッドの上に倒れる様に。
彼とのキスは頭に思い浮かんでいた疑問が今だけは消えていくみたいで。
だけど、なんだろう…どこか懐かしい気がする。
それがまた心地良かったりもして。
唇の隙間からヌルりと入り込んできた舌がゆっくりと絡まる
脳が蕩けてしまいそう…なのに、それは何者かによって邪魔をされてしまった
こんなタイミングで安室さんの携帯が鳴り出してしまって。
「ごめん みなみさん。ちょっとまってて」
そう言ってスマホを片手に部屋を出ていってしまった。
この状態で部屋でベッドの上にぽつんと残されるのは何とも言えない屈辱の様な…
濡れた唇を一人そっと拭った。
仕事の電話かな
安室さん、スーツ着てたなあ…
初めて見るその姿はとてもかっこよかった。
でも探偵ってスーツとか着るイメージがあまり無い
それにあのスーツの感じからすると、もっと、なんというか
違う仕事の様な気もする。
色々考えながらも、気付いたらベッドの上から立ち上がって
ドアに耳を傾けていた。
って、何やってるんだろ…
まあつい最近も同じ事をしていたけども。
ドア越しでは全く聞こえなくて、そっと部屋を出て
リビングに繋がる通路を足音を立てないように歩く。
声が近付いて来た所で息を殺す。
何を話しているのだろう
声のトーンはどちらかと言うと少し弾んでいて敬語で話している
友人?それとも仕事関係?
もう少し近付くと電話越しに声が聞こえた。
女性の声だ。
「ええ、分かりましたよ。今から向かいます」
急いで部屋へと戻った。