第24章 その先に待っているもの
『助けるって、どういう事ですか?私…どうしたら良いんですか?』
「みなみさん、良かったら此処に住まないか?
記憶が戻っていない状態で元居た家に戻っても更なる混乱を招くだけだ」
『え、いや、でも流石にそれは…』
「僕は職業上、此処に滞在する時間はあまり無いんだ。だから好きに使って良いよ」
流石にそれは
いくら過去に仲が良かったとしても、突然此処に住めと言われたって…って意味だったんだけども…
でも今の自分に身寄りが無いのも事実。
四六時中一緒に過ごすって事でも無い訳だから、今は安室さんを信じるしか無さそう…
『あ、じゃあ…』
なんだろうこのムズムズとした様な、ちょっと悔しい様な気持ちは。
少し安室さんに乗せられたような感覚は拭えない
「勿論。そうとなれば、先ずは色々買い出しに行こう」
結局、安室さんの家にお世話になる事になってしまった
『よ、よろしくお願いします…』
•
みなみさんには僕について知っていて欲しかった。
彼女の様な人間は初めてだ。
出会う前から僕の事を知っているだなんてな…
そしていつの間にかそんな彼女の存在に僕は…
長らく忘れていた必要の無い感情に、火を付けたんだ
居なくなったと思えばまたこうして違う形での再会
一度は離れたと言うのに、どうやら…そうはさせてくれないみたいだ。
だからそんな彼女には僕の全てをまた知っていて欲しかったんだ。
みなみさんを混乱させない様に、そして
重点を暈しながら、身寄りの無い彼女の耳に入れた遠回しの情報に
囚われ、惑わされて、もっと僕に興味を持たせる為に。
まあ、もどかしさがあるのは事実
今の状態の彼女がどんな行動を起こすかはまだ分からない所があるが。
どうやら少し脱走癖がありそうだ。
•