第24章 その先に待っているもの
とは言え、きっとあの頃の自分は安室さんと仲良くしていたのだろう。
もし記憶が戻った時の事を考えると、下手な行動は出来ないのも事実。
波風を立てたくなかった。
でも今の安室さんが私の事や身の回りの事を教えてくれるとは思えない。
何かを隠されている?
安室さんは、私に気付かれて何か不利な事があるのだろうか。
安室さんに申し訳なさもあるけど、ただここでそのままジッとしている訳にもいかなかった
今の自分には何が出来るんだろう。
バッグの中を漁ってみると中には、財布、リップやパウダー等の軽い化粧直しのポーチと煙草ぐらいしか入っていなかった。
財布の中には、お金とカード、身分証が入っている。
身分証を確認して、直ぐにその住所を検索すると何も出てこなかった。
そもそも此処に書いてある地名自体が存在していない。
そしてカードもやっぱりここでは無理みたい。
あの話の信ぴょう性が更に出てきた。
そんな嘘みたいな話を百パーセント信じている訳では無かったけど
徐々に信じざるを得ない状況になってきた。
取り敢えずはここを出てみるしかない。
鍵も何も無いし、安室さんには申し訳ないけど
まあ、このセキュリティなら…
それに、さっき安室さんが通話で話していた事が事実なら
それはそれで何とかなりそうな気がして。
何とかマンションを出る事に成功して、さっき車で通ってきた道を歩き始めた。
土地勘も無ければ行く宛ても無い。
途方に暮れそうな中、足を進めるしか無かった
取り敢えず、この辺りではなくさっき居た辺りにまで行きたい。
自分の置かれていた状況からすれば、こんな高級な住宅街とは無縁だろうから