第24章 その先に待っているもの
切り出し方を考えながら咀嚼をしていると、安室さんの手が頭まで伸びてきて
ポンポンと撫でられる。
隣には優しく微笑む安室さんが居て。
その様子につい心が弾みかける。
危ないな…
今はそれどころじゃなくて
『安室さん』
「あ、ちょっと待ってて」
今度は安室さんが鳴り出した携帯を持ってリビングを出ていく。
またもや切り出しに失敗
ここまで来ると、わざとやられているみたいで。
そういえば携帯…
充電が切れていたんだった。安室さんに言って充電器を借りないと
溜息を零すと、安室さんが出ていったリビングのドアが自然と視界に入る。
安室さんは何を話しているんだろう?
妙な胸騒ぎに近い様なものを感じて、足音を立てないようにこっそりと近付く。
「ああ。今僕の家に居る」
「良くやったぞ、風見」
良くやった?なんの事?風見って?
ドア越しに聞こえてくる安室さんの通話内容は意味が分からない。
「ああ、僕はこれからポアロのバイトに行く。あとは分かっているよな?」
ポアロ?ポアロと言う場所で安室さんはバイトをしているのか。
バイトと探偵の弟子だけでこの生活?
凄腕の弟子とか?でも、だとしたらなんでバイトなんてしているんだろう。
実家が凄いとか?
「そうだ。引続きみなみさんの監視と警護を頼んだぞ。ああ、何かあったら直ぐに知らせろ」
監視に警護?どういう事?
益々分からない。口調だって全然違うし
探偵だとしてもそこまでの事する?
そもそも依頼された事以外は受けない筈では?
安室さんへの疑心が更に湧いてきた。
まずい。
早く元の場所に戻らないと。