第24章 その先に待っているもの
本来なら笑ってしまうぐらい有り得ない話なのに、今はそんな気力も無ければ笑える状況でも無かった。
『私はどこに住んでたんですか?仕事とかは…』
「んー」
『んっ?』
この質問に、顎を指で掻きながら斜め上を見てどこか困ってる様子…
もしかして私ってニートだった?
それで誰かのヒモしてたとか?
だけどこの話が本当なら、戸籍だってそうだし身分を証明出来る物が無い訳だから有り得るのか……
「詳しい話は後で話すよ」
またはぐらかされた気がした。
そのまま車が発進して地上へと出た
『あの、今度は何処へ?』
「みなみさん、僕はこの後シフトが入っているから行かなければならないんだ。だから取り敢えず僕の家で待っていてくれるかい?」
『え?いや、でも…』
私に家があるなら普通に家に送ってくれる筈。
だけどそうされないって事は…
益々不安になる。
一体どんな生活をしていたんだか…
『ん…分かりました…』
こう返事するしか無かった。
この状態で下ろされても困るのは確実だし、安室さんがそんな事をする人には思えない。
今は安室さんだけが頼りな状態だから、従う事しか出来なかった。
留守にする家の中に他人を居座らせるって、信頼関係が無いと無理な気がする
私はこの人にちゃんと信頼されているって事なのかな。
そう思うと、どこか少し嬉しいのは事実。
『安室さんはこれからカフェの仕事ですか?』
「そうだよ」
『私はそこに行った事はあるんですか?』
「何度か来てくれていたよ。中でも僕の作るサンドイッチを美味しそうに頬張るみなみさんの姿を鮮明に覚えているよ」
『ほう…』
「後で作るよ。お腹空いているだろう?」
『言われてみれば…最後にいつ何を食べたのかも分からないし、じゃあ…お願いします』
「勿論。味の保証はするよ」