第24章 その先に待っているもの
『あの、どこへ向かってるんですか?』
「みなみさん、僕達に敬語なんて必要無いよ」
『いや、でも…』
笑みを含みながらそう言われても、私からしたら初対面と同じだから
敬語じゃなくて良いと言われても直ぐには適応出来ない。
『慣れたら、そうしますね』
「是非。そうしてくれると助かります」
なんの見当もつかない街並みは何処か知らない世界に入り込んでしまったかの様で。
カーナビに表示されている地名もどこかおかしい。
見た事もない名前しか無い。
『私は普段どこに住んでいるんですか?それと…ここって東京ですよね?私が知っている地名とは違う物ばかりで。えっと、私とはいつ知り合ったんですか?』
彼に聞きたい事は他にも沢山ある。
今の自分には質問攻めしか出来る事が無い
「僕は安室透と言います。そうだなあ、此処は…確かにみなみさんの思う世界とは違うかな」
『安室、さん…それはどういう事ですか?』
「今それを話したら、みなみさんは更に混乱すると思う」
『どうして?』
「到底有り得ない話だからね」
『ここって死後の世界とか…ですか?』
「それは違うかな。でも、そう思う人ももしかしたら居るかもしれないね」
なんて事をどこか楽しそうに話す安室さんが理解出来ない。
「そうだなあ。異世界と言った方が早いのかな」
『えっ?』
少し真面目にそう言われて、笑いそうになった。
異世界だなんて。そんなの作り話でしか聞いた事がない
科学的にも有り得ない事だろう。
そう思っている。
いや、ずっとそんな物は存在しないと思っていたけど…
今起こっているこの現実が、そうでは無いと言っているみたいで。
それとも元々ある地名だけど、私が忘れてるだけ?
それを揶揄っているの?