第24章 その先に待っているもの
金髪の彼に抱えられたまま、停車している白いスポーツカーの前まで来た。
車に詳しくない私でも、これはどう見ても高そうな車だという事は分かる。
彼は何をやっている人なんだろう?
ポアロって何だろう。
このくらいの容姿ならやっぱり芸能関係?
ポアロは雑誌とか事務所の名前?それともホスト?
全く分からなかった。
だけどこの人は私の事を確実に知っているわけであって。
そのまま助手席に乗せられ、運転席に彼も座る。
「みなみさん、そんなに余所余所しくなくても良いじゃないか」
さん付けで呼ぶって事は恋人同士ではない事は確かなのかな。
いや、こんな事を考える事自体恐れ多いけど…
けど分からないから素直に言うことにした。
『あの…私、何も分からないんです』
「みなみさん、まさか それはどういう事だ?」
『目が覚めたらそこのトイレの個室に居て、訳も分からないまま外に出てきてここの名前も聞いた事がないし、それに…貴方の事も何も分からないんです』
真っ直ぐに見つめてくる彼の視線が刺さる様で、目を見れなくて
そのまま俯きざまに話した。
「通りで様子がおかしいわけだ。本当に僕の事が分からないのか?」
『はい。あの、私と貴方はどんな関係だったんですか?』
「みなみさんと僕は……深い友人だよ」
『深い友人…』
「ああ、そうさ」
この人と私が…?
何の繋がりだったのだろう?
深いという事はきっとそれ相応の信頼関係がある筈なのに、それすらも分からない事が悔しくもあって悲しくもあった。
不安しか無い中で車が動き出した。
視界に入る車窓からの風景はどれも見慣れなくて、何処へ向かっているのかも分からないし、夢なら覚めて欲しかった。
そしてさっきから手首を光らせているこのブレスレットは何なのだろう。
こんな物持ってたっけ?
もう頭がパンク寸前だった