第24章 その先に待っているもの
「あ、確かそのポアロの兄ちゃんがみなみって言ってはったな」
やっぱりみなみさんの事か!
「分かった、サンキュー服部 後でな!」
「あ、ちょっ、おい工藤!どういうこっちゃねん!」
「赤井さん、みなみさんは杯戸町に居るみたいだよ!」
「隣か そんなに離れていたとはな」
「うん…どうして別々になっちゃったんたろうね?」
「そいつは分からんな」
「あ、それと、どうやらみなみさんの体調が良くないみたいだよ。それでそこに…安室さんが来たみたい」
「ホー…そいつは凄い偶然だな」
「あと、これはボクの推測だけど…もしかしたらみなみさん記憶が無くなっているかもしれない」
「何?」
「あのみなみさんが杯戸町を知らないとは思えないし、ボクの友達の事も全く分かってなかったみたい」
「そうか。そいつは少々厄介な事になってきたな」
「何も無ければ良いけど…」
「そうだな」
「でもみなみさんも無事みたいで安心したよ、ボクにも何か出来ることがあったら言ってね!」
「ああ、ボウヤも早朝から態々ありがとな」
「ううん!丁度通ったらジョディ先生達が見えたからもしかして!って思ってさ」
「そうか、ボウヤはどこか行くのか?」
「うん!今日から函館に行くんだ!」
「そいつは良いな。気をつけて行くんだぞ、ボウヤ」
「うん!ありがとう!赤井さんも気をつけてね、それじゃあまたね!」
どこか忙しない様子のボウヤも家を出ていき、一人に戻る。
記憶喪失に安室君と来たか。
こいつは厄介な問題になりそうだ。
そうなると、みなみは俺の事も覚えていないという事か?
あれだけ話をして来たと言うのに、それら全てを覚えているのは俺だけなのか。
漸く再出発を果たせたと思っていた所だったのだがな。
心の何処かが痛むのは久々の感覚だ。
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