• テキストサイズ

スモーカー【名探偵コナン】

第23章 追憶の果て



真剣な話から他愛もない話まで、こんなにゆっくり話せたのは初めてかもしれない。



案外思い出してみるとこうして水入らずでゆっくり寛げることは無かったな。



『そういえば赤井さんはあれ、見たんですか?』



これも気になっていた事だった。
壁際に置かれた本棚に遠くから指を指す




「まあ、最初は気になって軽く見たな。だが、自分自身の目で確認する事が何よりも大事だと思ってな」



『なるほど、何だか赤井さんらしい理由でもありますね。私だったら絶対見ちゃうなぁ...』



流石だなと改めて感心すると、重ねられた手が少し動いた。



「みなみ、俺の父は出てきているのか?」




えっと...
回想で出てきたけど、それにはメアリーさんの幼児化が描かれているし
それにあれはベルモットだったし...



流石に言える訳も無く、知らないふりをした。


どうかこの嘘に気付かないで欲しかった。




「そうか」


『力になれなくてすみません』


「何を言っている。謝る事は何も無い」




赤井さんに聞かれても途中までの記憶しか無かったあの頃と違って
今はこうして当たり前のように記憶に残っている。




知っていたとしても、このタイミングで言う事は無かっただろうな。
赤井さんの意思を曲げてしまう事になりそうだし。



でも、今更だけど、どうして自分は記憶を無くしていたのだろう?



こんなにも好きなのに、どうして途中までしか...



本棚の隣に並ぶグッズ達を遠目で見ながら疑問だけが浮かんでいた。



今は難しい事も何もかも考えたくなかった。



効果なんて無くても、煩くなった頭の中をかき消すように
ギムレットをグッと飲み込んだ。


少しキツいジンが食道を熱くさせた


そのお陰か、少しフワフワとした感覚になれて今日はアルコールに助けられてばかりだと思った。

/ 405ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp