第23章 追憶の果て
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「風見、それは一体どういう事だ」
「降谷さん、ですから...言葉の通りです」
「...分かった。丁度今上がったところだから僕もそこへ向かう、位置情報を送ってくれ」
「はい、降谷さん」
みなみさんが消えただと?そんな馬鹿な
数時間前に会ったばかりだ。
まさか...考えられるとしたら組織の仕業か?
様々な可能性を考えながら風見の待つ林の前に車を停車させた。
「降谷さん、お待ちしてました。こちらです」
差程車通りの無いこの林の中に何故みなみさんが?
林と言ってもここの林の中は木々が比較的細く、間隔も空いているから自然の光が入りやすい場所だ。
散歩だとしても態々ここに来る理由は一体なんだというんだ。
「降谷さん、この建物です」
「こんな場所に小さな雑居ビルがあったとはな。いや、僕が忘れていただけか」
「降谷さん、それと...申し上げ難いのですが、こちらに赤井秀一と入っていった様です」
「なに?赤井だと?!...まあ良い。風見、外を見張っておいてくれ。僕は中を確認してくる」
「はい。お気をつけてください、降谷さん」
念の為銃を装備しながら中に入るが...
見た目からも伝わる通り中は割れたガラスと落葉が散らばっている。
全ての場所を確認したがどこにも姿は無かった。
みなみさんどころかあの赤井まで、一体どこへ行ったというんだ
「ありがとう、風見。この辺りには人の気配も無かった、取り敢えず出るぞ」
「はい」
「僕もカメラの履歴を探ってみるが、風見も呉々も注意しながら何か分かったら直ぐに連絡をしてくれ」
「分かりました、降谷さん」
何の収穫も無いまま林を出て車を走らせた。
みなみさんが姿を消した。
これが四日前の出来事だ。
組織は関係無かった。
赤井の仕業とも考えられないし、もしかしてみなみさんは元居た世界に何らかの原因で行ってしまったのか?
あの赤井までもか?
分からない...
一体どこへ行ってしまったというんだ。
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