第23章 追憶の果て
見慣れた景色に戻る頃にはビルの光が輝き出していた。
『赤井さん、今夜は久々に晩酌でもします?』
「ああ、そいつは良い案だ」
近くのリカーショップに寄ってもらい、お酒をいくつか購入して
家の前に到着したタクシーを降りた。
部屋に着いた頃には辺りはもう暗くなっていて、満月が顔を出していた。
お互いシャワーを済まし、ガウンを着たままお酒の準備をする。
今日で最後という事もあってカクテルを作ろうと色んなお酒やジュースを集めてしまった...
カクテルを中心に飲んでいこうかな
『赤井さんは何飲みますか?』
「そうだな...これだけあるしな」
買いすぎたと言うぐらいに揃った様々な酒を赤井さんが眺める。
てっきりバーボンを手に取るのかと思いきやウォッカを手に取った赤井さん。
オレンジジュースと共にシェイカーに入れて慣れた手つきで混ぜる姿はバーテンダーみたいだった。
『てっきりバーボン飲むのかと思ってました』
「たまには違うものも良いかと思ってな」
グラスには鮮やかなオレンジ色が広がり、それを手に持つ赤井さんの姿はどこか似合わなくてそれが可愛らしい。
「スクリュードライバーだ。みなみはどうするか?作ってやる」
『え!ほんとですか、ありがとうございます!じゃあ...ピニャコラーダで!』
赤井さんの手つきの良さに見蕩れていばあっという間に出来上がった。
部屋の照明を少し落とし、窓際のソファに並んで座ると
丁度満月が自分達を照らしてくれているみたいだった。
『じゃあ...お疲れ様です』
「ああ、乾杯」
久々に飲むピニャコラーダの味はどこか懐かしくて、甘かった。
赤井さんもスクリュードライバーを飲む姿を見るのは初めてだから中々新鮮だった。