第23章 追憶の果て
『あんなの、許せなくて当然です。私だってそんな事があったら平常では居られない筈ですし ああ、ほんと...情けない限りです』
赤井さんの顔が見れなかった。
「ん?俺だって毎回FBIの件があって外に出てるとは限らんぞ」
『えっ?!』
驚いて反射的に赤井さんの顔を見ると、喉の奥で笑い出す赤井さんが。
『あー、揶揄いましたね!』
「冗談だ、ほら、頂上から下がりだしてるぞ」
『あ、ほんとだ...』
また赤井さんの優しい冗談によって空気が和んだ。
そしてお互い向かい合う形に戻る
最近の生活でのずっと気にしていた事も蟠りが少しずつ解れて
この罪悪感が完全に消える事は無いだろうけど
それでも関係がまた少し強くなった気がして、それが何よりも嬉しい事だった。
夕陽に照らされた景色を一望しながら、心もどこか凄く軽くなった。
心地好い空間で景色と会話を楽しんでいればあっという間に一周を終えそうだった。
『早いですね...赤井さんとこの景色が見れて本当に良かったです』
「俺もだ、今日は俺の記憶にずっと残りそうな一日だよ」
『私もです、まだ夢でも見ているみたいです』
少し照れくさくて視線を逸らすと、再度サングラスを付けた赤井さんに頬を軽く摘まれた
「安心しろ、全て現実だ。この先もな」
『ふふ はい!』
そしてあっという間に地上に到着した。
「足下お気をつけてください、ありがとうございました〜!」
『楽しかったな〜』
「充実した日だったな、向こうに戻っても行ってみるか?何か違う所があるかもしれんしな」
『あ、それ良いですね!是非!』
この先に待っている楽しい事を浮かべながら、タクシーに乗り
何だか名残惜しくなってきた横浜を後にした。