第23章 追憶の果て
「良い景色だな」
頂上到達まで凡そ5分ぐらいの所で赤井さんが口を開いた
『そうですね』
赤井さんの方を見ながらそう返事をして、また自分も外を見る
赤井さんはサングラスを外したみたいで、何だかそれが嬉しかった
「俺が観覧車に乗るとはな」
『確かに、赤井さんって絶対乗らなそうですよね』
自らそう言い出す赤井さんに笑みが零れてしまう
赤井さんと観覧車と言えばあの記憶しか無い。
「乗らんな。だが乗ってみると案外悪くないものだな」
『でしょ〜?赤井さんと一緒に乗れて凄く嬉しいです!』
「ああ、俺もだ」
そして漸く頂上へ。
『高いですね〜』
「そうだな」
『このレベルの高さで戦えるってやっぱ凄いですね...』
「ん、それは俺の事か?」
『えっ?あ、はい...』
ついつい頂上から見る景色に心の中の声が漏れてしまった。
「あの時は中々参ったな」
『それに中じゃなくて外ですもんね...』
「そうだな、安室君も容赦無かったしな。彼には熟困らせられるよ、みなみ」
このタイミングで再度こちらを向く赤井さんに色んな意味でドキッとしてしまった。
『言葉が出ないです...』
思い出さないようにしていたけど向こうでも零とこの観覧車に乗っていたし
自分の行動がそれらを上塗りしているみたいで何とも言えない感情があった。
恥ずかしくて少し下を見ていると前からクスッと笑う声がきこえてきて。
「みなみ、もう良いんだ」
『え?』
「言葉の通りだ」
そう言いながら赤井さんが隣に移動してきて
「みなみ、俺も悪かった。ここ最近、いや、向こうでの生活の事だ。仕事が忙しくなったのもあったが、俺も少し意地悪をしてやろうと思ってな」
と言うまさかの言葉に驚く。
『いえ、そんな...赤井さんが謝る事なんて何も無いんです。本当にあれは私が悪くて、こちらこそ改めて本当にごめんなさい』