第23章 追憶の果て
悩む。けど、赤井さんをこれ以上振り回す訳にもいかないし...
よし、丁度行きたかったところだしこの数分で決めてしまおう。
『赤井さん、ごめんなさいちょっと御手洗行ってきます』
「ああ」
そこで大丈夫だと伝えてもちゃんとトイレの手前まで着いてきてくれた。
『では、後程』
とは言ったものの、ここから向こうに戻るとなると
逆になる訳だから赤井さんがああ言っていても正直確証は無い。
こう言っては難だけど、なぜ自分はこんなにあのアクセサリーに惹かれたのだろう?
向こうにだって素敵なデザインの物は沢山ある
そもそも赤井さんとまた戻れればもうそれだけで充分なわけであって。
考え出すと段々と欲が減っていった
こことお別れするならここの物をもつのも何か違う気がして。
『お待たせしました!』
「ああ、行こうか」
『はい!』
結局、アクセサリーは買う事を辞めた
赤井さんが居てくれればそれだけで良いから
赤井さんも何も言う事無く、また心を読まれたのかな なんて風に思った。
時間の経過はあっという間で、外は夕陽が出ていた。
家でもゆっくりしたいから、観覧車に乗ってから帰る事に。
チケットを買ってから十数分程で自分達の番が来た
お互いに向かい合う形で座る。
「それでは行ってらっしゃいませ〜!」
扉が閉まり、少しずつ乗り場から離れていく。
やっぱり観覧車はいくつになって乗っても心が躍る
赤井さんは脚を組みながら窓際のパイプ部分に肘を置いて頬杖しながら外の風景を見ていた。
ただ眺めているだけの様子でも、ちゃんと様になっている
言葉を発さずに、ゆっくりと上昇をしていくゴンドラ内に微かな振動と
上部から入ってくるそよ風がとても心地好い。
夕陽に照らされて、時間にも終われずにゆっくり出来るこの瞬間も本当に幸せで。