第23章 追憶の果て
椅子は空いていなかった為、吊革を持つその姿だけでも絵になるぐらいだった
「まあ、今となっては乗らないからな」
『そうですねえ…赤井さんは車って感じですもんね』
「あれの方が楽だからな、人目も多少は欺けるしな」
『そうでしたね…』
赤井さんのスタイルなら吊革の輪に捕まる必要も無い訳で、それが繋がれているパイプに手を掛けていた
何だろう…モデルみたい
見蕩れていると電車の揺れによってバランスを崩してしまった。
そう思ったけど、すぐ様片腕で抱き寄せる様に支えられて転ける事は無かった
『ありがとうございます』
「それも悪くは無いが、しっかりするんだ」
『はい…』
あまり見蕩れすぎないようにしよう…
中華街に到着してからは、食べ歩きをメインに進む事に。
定番の物から、自分が唆られた可愛らしいものまで
赤井さんと食べ歩きをしている
赤井さんと言えばあの頃はコーヒーばかりのイメージで、今はカレーやシチュー、肉じゃがなど…
簡易的すぎる食事…とも言えない食生活から家庭的な料理まで、そのイメージが強かったから色んな物を食べて貰える事が凄く嬉しい
それに中華料理もあまり食べる事が無かったそうで。
「ん、これは悪くないな」
熱々の小龍包を頬張りながら満足気な表情をしている
「ここにある物は滅多に食わないからなぁ 今後の自炊の良いアイデアになったよ」
『ほんとですか!戻ったらいつか小龍包でも作りましょうか!』
「ああ、そうしよう」
その後も食べる度に一瞬表情が満足気になるのが可愛くて
でもあまり口に合わなそうだった物は少し眉間に皺が寄ったりと、その様子が面白かった
赤井さんが純粋に食を楽しんでくれる事は凄く嬉しい事でもあった
大分お腹も満たされ、みなとみらいに戻る事に。