第23章 追憶の果て
「にしても本当に同じもんだな」
『そうですね、違うとすれば少し名前が変わってたり、建物の高さとか…』
「あれはここだとなんて呼んでいるんだ?」
窓越しに赤井さんが指を指した先はスカイツリーだった。
『あ、あれはスカイツリーです!向こうだとベルツリータワーになりますよね』
「そうだな」
『微妙にベルツリーの方が高いみたいです』
「ホー、上手く出来ているみたいだな。ちゃんと修理も済んでいるみたいだ」
どこか誇らしそうに笑みを浮かべながらこっちを見るから、一瞬ポカンとしてしまった。
『修理?…あっ!そういえば、昔狙撃してましたね あれ本当にかっこよかったです』
なんの事かと思えばあの時の…
自らそう言ってくる所もなんだか凄く可愛らしくって。
「あれは中々厄介だったな」
『かなり苦戦してましたね…でもあらためてこうやって見ると本当に凄い、あの距離で』
「ボウヤのおかげだ、よくやってくれたからな」
『二人とも凄いって事です』
落ち着いていても、興味津々なのがどこからか伝わってくる様子は見ていて楽しい
「成程、あれが東都タワーになっているわけか」
『正解です!』
「ここも悪くないな」
『そう言って貰えて何よりです』
街並みも徐々に変わっていき目的地に近付いてきた。
『この辺で大丈夫です、ありがとうございました』
タクシーを降りると、病院を出た時よりも更に陽射しが増していた
平日でも相変わらず賑わっていてカップルの姿もよく確認出来る。
「久々だな」
辺りを見渡しながらそう言う赤井さんの姿は嬉しそうにも感じられた。
少しラフな服装にサングラスとキャップ、この恵まれた天気も相まってそれが凄く様になっている
今正にあの頃の願望が叶っているのだと思うと、言葉には表せないぐらいの嬉しさがあって。
本当に夢でも見ているみたいだ…