第23章 追憶の果て
『一旦お家帰って出直しましょうか!』
「そうだな」
タクシーに乗って一度家へ。
折角の赤井さんとのデートなのに服装がカジュアルすぎる。
メイクもちゃんとしてなかったし準備もしたい
どうやら赤井さんも一度帰りたかったみたいで。
『ありがとうございます』
タクシーを降りて部屋の中へ。
『すぐ準備するから待っててくださいね!』
「時間ならまだある、そう急ぐな」
『折角の赤井さんとのデートだもん…少しでも長く過ごしたいですから!……って、え?』
眼鏡を外しながらそう言う赤井さんを見ると、マスクを外し
そのまま顎の下をひっぱって変装の方のマスク自体を取ろうとしていた。
『えっ、外しちゃうんですか?!』
「ああ」
何事も無いかのように返事をしながらペリペリとマスクを外した赤井さん。
「ここに居られるのも後少しだろうと思ってな。奴らが居ない場所ぐらいはそのままで過ごさせてもらうぞ」
素顔の赤井さんは凄く久々な気がして、新鮮で嬉しい…
「安心しろ、外に出る時はちゃんとこいつらを付ける」
『あー…はい…』
「どうした、俺の顔に何か付いてるのか?」
つい見蕩れてしまっていると、少しぽかんとした様子の赤井さん。
『あ、いえ!何だか、凄く久々だなーって』
「そうだな。最近は沖矢の状態が続いていたからな」
「…そんなに嬉しいのか」
近くで見ていると、含んだ笑いをしながらそう言われて。
『はい、勿論沖矢さんの状態も凄く好きなんですけど…』
「どうだかな、沖矢の時の方がみなみは嬉しそうに見えるぞ」
『えっ?!いや、そんな…!』
「沖矢は嫌なのか?あれも俺ではあるんだがな」
腰に腕を回して、抱き寄せながら態とそんな事を言う赤井さん。
顔が近くて今でも緊張する
『あっ、いや、両方…好きです…』
「ホー…相変わらず欲張りだ」
なんて事を言いながら口の片端が少し上がって。
そのまま更に顔が近付いてそっと触れた唇が離れる
「ほら、準備してこい」
『赤井さんのいじわるー』
「なんの事だかな」