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スモーカー【名探偵コナン】

第23章 追憶の果て


眠っている自分自身の手をそっと握っていると、まるで走馬灯の様に今までの人生が蘇った。


死ぬ訳でも無いのに、それはとても鮮やかな記憶で。


でも、赤井さんの居る世界に行くという事はこの世界では死ぬのと同じ意味でもあって。



目を覚まさない自分をずっと見て、色々な事を考えていると
何だか今までの事もどこか愛おしく感じてきた。



ここでちゃんとケリを付けろという赤井さんの言葉通り、しっかりとここでケジメを付けなければいけない。



こんな事は本当に有り得ないし科学的にも証明出来る様な事でも無い。


本来はここに留まらなければいけないのだろう。


だけど私は向こうの世界に行く準備は出来た。




『赤井さん』


「どうした」


『もう大丈夫みたいです。やっと自分の中でケリが着けられた気がします』


「そうか」


隣で立っている赤井さんを見上げれば、一瞬だけ目を見開いてから
またいつもみたいに含んだ笑みを浮かべてくれた。




決して目を覚まさない自分自身に心の中で感謝の気持ちを告げて、椅子から立ち上がる



買ってきた花束を花瓶では無く、隣に置いた。



あんなに混乱していたのに今となっては何故だか笑みが出る。



『行きましょうか!』

「ああ」


最後に自分自身を振り返って見ると、心做しか少し安らかな表情をしている様に見えた。





行きとは違って、肩の力が抜けてどこか気持ちが軽い




病院を出ると、空は快晴でそよ風が吹いていた。

丁度午後になったばかりで心地好い天気だ。




『今日は付き合ってくれてありがとうございました』


「何を言っている、当然の事をしたまでだ」



赤井さんも、どこか軽やかに見える
だいぶ前から、変装をしてる状態でも赤井さんの本当の表情が何となく伝わる様になった



『赤井さんが居てくれて本当に良かったです』


ポンっと頭に手を置いて微笑みながら空を見上げる赤井さん。


「天気が良いな。どこか行くか?」


『はい!行きたいです!』
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