第23章 追憶の果て
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驚いたな。
みなみと出会ってから、全てにおいてが現実離れしすぎていたが
その中でもこれは群を抜いてだ。
みなみの居る世界に来てからは、かなり動揺した。
今のままで全てを破棄する事だけは御免だったからな。
一刻も早く元居た場所に戻る事だけが優先事項だった
が、記憶が戻ったこいつの話でまさかこんな推測が出てくるとは自分でも驚愕した。
そしてまさか推測通り、今目の前で眠っているとはな。
同じ人間が二人居るこの状況は正直言って不可解でもある
だが一番混乱しているのはこいつの方だろう。
多少は落ち着きを見せたが、脳内は決してそうでは無い筈だ。
にしても酷い有り様だ
みなみをこんな状態にした奴の事は到底許す事は出来ん。
話からして、こうなる前も相当苦しんできた事だろう
だが皮肉にもそれらが無ければ出会う事は無かった。
眠っている自分自身を見つめるこいつには今何が浮かんでいるのか
本当に俺の居る世界に戻る事がみなみにとっての正解なのか?
全てはみなみが決める事だが、こいつにとっての最善は…。
すれ違いが生じていた最近の生活は、ただ単に多忙だったのもあったが
頭の隅には安室君とみなみの一軒が絡んでいた。
意地悪してやるつもりだったが、その中には単に怒りもあったのだろう。
何とも子供じみた理由だが、俺はこいつを心から思っている。
離したくはないが、こいつの人生の決断の邪魔はしたくない。
だが、一緒に戻る未来を心底望んでいる自分がいる。
戻ったら今度こそは頭に残る蟠りを全て無くして向き合いたいと思ってる。
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