第23章 追憶の果て
朝食を食べ終え、花束を買ってタクシーで病院に向かう。
赤井さんの推測が正しければ私の肉体はそこで眠っているとの事。
今自分自身はこうやって生きているのに、もし本当にそこに居るのなら…
不気味でしかないな
病院へ近付いていく度に、まだ確証は得られていないというのに鼓動だけは早まっている。
どんな気持ちでそんな自分と向き合えば良いのかが分からなかった
そんな様子を直ぐに悟ったのか、隣に座る赤井さんの暖かい手が触れる
それだけでも少し安心する事が出来た。
『ありがとうございました』
漸く病院に到着し、タクシーを降りる。
自分が眠っているのがこの病院だった場合、瓜二つの人間が現れたら流石に怪しまれてもおかしくはない。
その為、予め準備していた眼鏡とマスク、キャップを被って簡単な変装で病院に入る。
合っていたとして、まず面会まで辿り着く事が出来るのか
一番肝心でもある第一関門を突破出来るのか不安になりながら受付へ。
『あの、すみません。こちらに入院している小田島みなみの面会をお願いしたいのですが』
「#name2みなみさんの面会ですね」
画面を確認する受付の人を見ていると、更に心拍が早まって変な汗が出そうになる。
実際、固く握ぎりしめている自分の掌には汗がじんわりと伝わっている
「それでは、こちらの紙にご記入お願いします」
『はい』
この不安と緊張に対して一気に包まれた安堵に膝の力が抜けそうになった。
親戚という設定で記入し、無事に部屋番号を教えて貰い向かう事に。