第23章 追憶の果て
「ほら、早く来い」
ポケーっと突っ立っている間に
いつの間にかベッドに入っていた赤井さんが布団を広げて待っていた。
『はい!』
赤井さんと同じベッドで寝るのは何時ぶりだろうか
凄く自然に言ってくるものだからそうせざるおえなかったけど…
こんな事が起きなかったら、きっと今でも距離が空いたままだったのだろう
突然の出来事に流されていくままで、赤井さんと最近よりかは空けてしまった距離が縮まっている様にも感じるけど
根本的にはまだな事が多い
『えっ?』
緊張と気まずさもあって、つい反対側を向いて考え事をしていると突然視界が暗くなった。
「みなみ、目を瞑るんだ」
赤井さんの手によって遮られた視界と一番安心のできる声によって眠りにつく事が出来た。
翌朝目が覚めると赤井さんの両腕に包まれていて、しっかり体の向きも直されてる…
顔が胸周辺にぴったりと密着させられてるから、赤井さんが起きないようにそっと間を空けて顔を上げると、熟睡しているみたいで凄く安心した。
赤井さんの体温をじっくり感じられるのはいつぶりだろう
ずっとこんな時間が続けば良いのに…
向こうに戻れたらまたこうやって過ごせるのかな
赤井さんの優しさに何度も触れるけど、本当の気持ちが分からない
優しいからこその言動なのかすらとも思えてしまう
こんな事を思ってしまう事が凄く申し訳なかった。
「早いな もう起きていたのか」
下から寝顔を見つめていたら丁度目覚めた赤井さんと視線があう。
『おはようございます』
「ああ 寝れたか?」
『はい、お陰様で』
大きな手で頭を覆うように髪をワシャワシャと撫でながら口端を少し上げた赤井さんが愛おしく見える
沖矢さんの状態でこの感じも凄く新鮮で良い…
「準備するぞ」
見蕩れてる暇を与えてくれないのは赤井さんのままだけど。
ベッドから出れば病院に向かうべく、早速身支度に入る。
赤井さんには昨日動揺に変装に変装を重ねて貰い、朝食は近くのカフェで摂る事に。