第23章 追憶の果て
『えっ?』
「良いから顔を上げるんだ」
逸らしていた顔に温かい手が触れた
対面で座っていたテーブル越しに伸びた手で顎を掴まれれば赤井さんと目が合って。
「みなみ、起きてしまった事は仕方ない。それにこんな経験はみなみと出会わんかったら出来なかった事だ。興味深いぞ」
『赤井さん...』
「心配するな、言ったはずだ。俺が着いていると」
『はい、ありがとうございます』
赤井さんの優しさにまた安心感を貰った。
食べ終わった皿を片付けながらふと疑問が湧いた。
『赤井さん、変装はどうしますか?』
まだ沖矢昴のマスクを被ったままの赤井さん
もうずっとそれを付けていることになる。
肌には良くなさそうだし、かと言ってここにそんな本物の変装に適した物は無いし...
「取りたいところだがな。ここはみなみの言いつけを守った方が得策なんだろう?」
少し微笑みながらそう言う赤井さんの事を、せめて組織が居ないこの世界ぐらいでは素顔で生活をして貰いたかった。
だけど明日も外に出るし...
仮にこの世界で変装をしたとして、向こうに戻った時ここの物が一緒になるとも限らない
赤井さんには悪いけどそのままで居てもらう事に。
「大丈夫だ、こいつなら長時間つけていても肌は荒れん」
『なら、良いんですけど...』
軽くシャワーを浴び、寝る支度を進めていく
部屋着に適したメンズ物は無かった為、前に買って使っていなかったフリーサイズのガウンを着てもらうことにした。
『すみません...それしか無くて...』
フリーサイズといっても赤井さんの足の長さの方が勝っている為、丁度膝が隠れるか隠れないか程度になってしまった。
「いや、助かったぞ 流石に衣類を纏わぬまま寝るのもな」
『あー…確かに、そうですね 洗濯は明日には着れる様になるので』
「ん?不満なのか?」
『えっ?!いえ!全然!』
ついガウン姿の赤井さんに見入ってしまっていた
正直最近はそういう事をする機会が減っていたのもあって。