第20章 本音
たかが恋愛と言っては何だけど、それ以外にも考えなければいけない事は多いわけで。
私はこの先どうなるんだろうか。いや、どうするべきなのか
赤井さん 零との事は勿論だけど…
これはもっと深い、人生的な方で。
思い返せば赤井さんを物凄く頼りにしてしまっていた
他の皆の事もだけど。良く言えば助けられたというのだろう
途中までの記憶だけを持ったまま、現在の右も左も分からない状態でこの世界へ来て私は何か変われただろうか。
特別でも何でも無いはずなのに、少し甘えすぎていたみたい
そして今の赤井さんとも。
こうなったのは自業自得なのに、それなのに…
「みなみさん こんにちは」
『こんにちは 安室さん』
あるべき自分とは反する言動ばかりで。
「どうかしましたか?」
『ううん』
ポアロの前まで来れば丁度勤務を終えた零が出てきて
そのまま裏の駐車場に止めてある車に乗る
「まさか今日みなみさんに会えるとは思ってなかったら嬉しいよ」
『私も会えて嬉しいよ』
「体調は本当に大丈夫なのか?」
『うん!もうすっかり元気だよ』
「そっか、だけど無理はしないで。お腹は?」
『んー 丁度空いてきたかも』
「同じだ、僕もだよ ご飯食べようか」
駐車場から道路に出る
昨日は赤井さんの助手席に乗っていたというのに今日は零の隣に居て…
改めて、最低だとは思う
「ん?今何を考えてた?」
『えっ?ううん!なんでもないよ!あ、そこのいろは寿司気になる』
「そこは…また今度行こうか」
『ん?う、うん』
「大将一人だけの日がお勧めなんだ、だから今度その日があれば行こうか」
『そう、だね』
いろは寿司は昔から描かれてた寿司屋だけど…実際はあまり美味しくないとか?まあここは零の言葉に従うとして…
「だから今日は」
『ん?』
「僕の家にみなみさんを招待するよ」
『えっ?!でも…』
「良いんだ、寧ろみなみさんだけに来て欲しいな。その方が人目を気にせずゆっくり出来るだろ?嫌か?」
『ううん!全然』
突然の提案に驚いてしまった…
零の家…どんな感じなんだろう
何時だったか友人が“安室さんは案外庶民的な暮らし”って言っていたのを丁度このタイミングで思い出した
でも実際はどうなんだろう…
気になる…