第20章 本音
『お邪魔しまーす』
「どうぞ」
「みなみ君、本当に体調は大丈夫じゃったのか?」
『はい!午前中に病院で特に異常なしと言われました』
「そう…なら良かった。ここ、座ってて」
博士は新たに改良すると言いながら発明室へ。
硬めのソファに腰を掛け、少しすると華やかでどこか落ち着く茶葉の香りがしてきて。
「どうぞ」
『ありがとう』
ティーカップに入った紅茶を運んできた哀ちゃんが隣に座る
「あの」
『ん?』
「…ごめんなさい」
その言葉に持っていたティーカップを直ぐにテーブルに置いた。
哀ちゃんの表情から何となくその言葉が来る事は予想出来たけど、誰も何も悪くない事だけは確かで。
『どうして…哀ちゃんは何も悪くないでしょ?』
「でも、貴女まで巻き込んでしまった」
『いいえ そんな事は無いよ。だから顔上げて』
顔を上げてくれた哀ちゃんは少し驚いた様な表情にも見えて。
『他にも…居たんだね?でも、あのシステムは人の為に役立つ物だし、私はたまたま…その、運が悪かったというか…』
「ええ。その人、昔の友人だったの」
こうして、一緒に攫われていた女性の話を哀ちゃんから聞いた。
『そっか、そこで再会するのは凄いね』
「そうなの、驚いたわ…」
その話は自分も知らない話であって、哀ちゃんの優しさにまた気付くことが出来たし、話が進んでいけば表情も晴れてきてまた安心した。
『大丈夫。きっとその女性も分かってくれてるはずだよ』
「ええ…そうね」
『今こうして元気に哀ちゃんやコナン君とも会えただけで十分だよ、話してくれてありがとう』
「…こちらこそ」
曇っていた表情はすっかり消え去った所にインターホンの音が鳴り響く
「ん、もう博士ったらまた宅急便?」
ムスッとモニターを見に行く哀ちゃんを可笑しく思いながら目で追うと
どうやら宅急便では無かったみたいで。