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えびまるの短編集《文スト》

第3章 拾い物 (中原中也)



時計を拾ってから1週間

時計はまだ生きている

「手前もそろそろ、持ち主に返さねえとな…」

もしかしたら返せるかもしれないと、肌身離さず持っていたが…
当然、素性も分からない女に運良く会えるはずもなく


今日も任務を終え拠点まで向かう


ーーー

時計をなくしてから1週間

やっぱり少し寂しい
うっかりポケットを探ってしまう

綺麗な青い宝石がついてて…
たしかタンザナイトか何かだっけ…?

もう誰かに拾われて売り飛ばされているかな
売られているなら買えばいいだけだけど…



依頼を受け次の場所へ向かう

『ヨコハマの街を荒らす不届き者を成敗しろ…?』

なんて依頼なのだろうか…
思わず笑ってしまう

『1人じゃ心細いけど…頑張るか!』






ーーー

『君たちかな?ヨコハマを荒らしているっていうのは…』

黒い服を着た明らかに怪しそうな人達
なにかの組織?ポートマフィア絡みだと怖いなあ…


「女の餓鬼が単身か」

『女の餓鬼って酷い言いようですね…こう見えても私18なんですけど…』

と、会話に注意を引きつつ異能力を発動する


そして、みんな手遅れになる

「?!」

私の異能は氷結
お酒じゃないよ?

地面に氷をはって敵の足も一緒にくっつけちゃおうっていう話

『動けないでしょ?これに懲りたらね、君たちは何がしたいのか聞きたいのと、それから…』

「黙れ!」

まだ他にいたのか
後ろからの奇襲

女の餓鬼を舐めない方がいいよ?
てかその呼び方やっぱり私ちょっと怒ってる

小さな氷柱を作り相手の腕をめがけ放つ
我ながら痛そう
でも冷たくて感覚麻痺するから痛くないのかな?
寒さには強い方だと思うからよく分からない

『そうだなあ…船、否…イカダ作ってあげるから大人しくおうち帰りな』

そう言って敵を引き摺り海の上に立つ
私の異能はこれができるから少し楽しい

『これ私が異能を解除したらみんな揃って魚の餌だね』

このまま沈んでもらってもいいけど、そうしたら社長に怒られちゃうし…

どうしようかなあ…

ーーー



何となく、拠点に戻る前に海を見ていた

すると
寒っ…海辺ってこんな気温が下がるもんなのか?
うお?!!

目線の先に小さな光
鋭利な何かが飛んできてスレスレで回避


…硝子?…!氷か、これ

一体誰の仕業だ…?





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