第2章 試行錯誤 (太宰治)
「多分… 月宮さんのせいです、」
『え、私??』
「はい…」
『なんでよ』
「いやー、ちょっと太宰さんの傷をこれ以上抉るのは良くない気が…」
『そう』
「月宮ちゃん…やっぱり今日だ、今日私と心中してくれ給え…」
お、これはチャンスじゃない?
いつもなら…する訳ないでしょって言っているけど
押してみる作戦だと、いいですよしましょう……?
…否、これはちょっと違うのでは
まあいいや、なんとかなる!
『いいですよ、しますか?』
「?!!月宮さん?!どうしちゃったんですか?!」
「月宮ちゃん…?嗚呼、私は傷心しすぎて幻覚が…」
あれ?思ってたのと違う…
まあ、なるようになれ!
『私とはしてくれないんですか?』
「え…?これ現実なの?月宮ちゃんちょっと私の事叩いてくれない?」
ペチッ……
「痛い…」
「敦、今日は…」
「ん?鏡花ちゃん?、あ!そうだね、行こう」
「うん」
『太宰さん、現実ですよ…?』
「私目が覚めてしまったよ…」
『おはようございます!』
「駄目だ…なんだか目眩が…」
『大丈夫ですか?私が診ましょうか…?』
バタッ…
…太宰さんはショートしてしまった
ーーー
「怖い… 月宮ちゃんが怖いよ…私月宮ちゃんになにかしたっけ…?」
「毎日なにかしすぎてると思います…」
『太宰さん、体調は大丈夫ですか?なにか食べます?』
「うっ…」
「太宰さんしっかり…!」
「月宮ちゃん、ちょっといいかい?」
『はい!なんでしょうか?』
すると太宰さんは私の腕を引いて足早に歩いていく
そして社のビルの屋上まで辿り着いた
「君さ…本当に月宮ちゃんなの?」
『え?』
「普段なら、私が腕を引いてどこかへ行こうとしたら離してって言うのに、さっきは何も言わなかったし…何より態度がいつもと全然違う」
『私は私ですよ、太宰さんが掴んでいるその手が何よりの証拠です』
「そうだけれども…」
『不満でしょうか…』
やっぱり太宰さんは、いつもの私が好きなんですか?
なんて思わず言ってしまいそうになるのをぐっと堪えた
「否、彼氏がいるのに他の男に優しくなんてしてはいけないのだよ?」
『…?』
「勘違いしてしまうからね」