第1章 交わる二つの世界
イタリアの都市、ヴェネツィアに似て非なるこの街はウォーターセブンという水の都で造船業が盛んであるらしく、ヨーロッパ系のような建物が広がるその中にはいくつのもの川が流れている。
その光景はとても綺麗で目を惹かれた。
日本から出たことがなかった真弥はその景色の珍しさにあたりをキョロキョロする。
本来は地方から東京に行く旅行であった筈なのにどうしてこんなことになっているのか、まるで二次創作や異世界小説みたいだと苦笑する。
パニックになったり悩んだりすることなくすんなりと受け入れることが出来た意外に冷静な自分自身に真弥は驚いた。
ファンタジーで夢のような出来事であったとしてもこれ紛れもない現実なのだ。