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✽深海傷女✽/イケメン戦国

第1章 ひとたび風が吹けば


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堺、海辺にて
光秀side

まったくもって、御館様は自由奔放な御方だ。

いきなり天守で囲碁勝負をけしかけられたと思えば、負けた罰に休暇とは 。

休暇など久しくとっていないのは確かだが、まさかこうして押付けられるとは思わなかった。

堺の海辺を報告待ちがてら散歩でも、とぼんやり考えていた時。

「あいたっ」

女子の声がどこからが響く。季節はまだ春、暖かいと言えど、海に潜るなんて愚行に走る輩はいないだろう。では今の声はどこからか。

岩の物陰にもどこにも気配がしない。あるのは海のさざめく音のみ。

「やっぱり泳ぐのだけは下手だなあ…」

再び海のさざめきに女子独特の声色がのせられて響く。
聞こえてきたところは海。海に潜るような季節でもなく、海辺には鋭い石が多い。

どこぞの子供が海辺をうろついて怪我でもしたのだろうか。

それならばと己の足は導かれるかごとく歩き出す。
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