第1章 ひとたび風が吹けば
「これ以上噂が広まればお前の命が危ぶまれる。この村から出ていけ」
「ごめんね、ごめんね…」
父も母も、私を捨てたのだと思った。噂が周り切ろうと大きいな被害がでるようなものではなかったから。それを見てもみんなは否定しなかった。村のみんなも私を捨てた。
ショックで失われてしまった歌声。
残されたのは小さくまとめられた荷物だけ。
私のなにもかもが崩れた。
あの村での当たり前に縛られていては窮屈だ。
ならばいっそ、誰も私の事なんて知らないくらい、遠い海へなにもかもを捨てて抜け出そう。
人間と、対等に渡り合えるような人魚になろう。