第5章 流星群が誘う旅
戸塚村からの帰り道、杏寿郎と蜜璃は並んで歩いた。二人とも途中まで同じ方向だ。車を拾っても良かったのだが、歩きには慣れている。それに甘露寺の様子が気になった。
鬼も無事に屠り去る事ができたし、近隣の住民からお礼を言われたのに。何故か浮かない顔をしている。杏寿郎は思い当たる事を幾つか浮かべてみた。
「甘露寺、今回も無事に終わったな。よく頑張った! 」
「わあああん!!!」
杏寿郎の優しく温かい労いの声が、甘露寺蜜璃の気持ちを揺さぶって、蜜璃は泣き出してしまった。
「どうした、何故泣くんだ。怖かったか? 」
「ぢがいます…グスッ、でんごくさん…」
「何だ、甘露寺」
「私…」
「ああ! 」
泣き声になっている蜜璃の小さな呟きにも返事をしてくれる。師範は明るい人だ。継子は卒業したけれど、まだ師範と呼びたい。
「甘露寺、茶屋がある。少しだけ休むか」
師範の優しい言葉に蜜璃の涙は瞬間乾いてしまった。
「はい!茶屋のお団子は何味かしらぁ!磯辺餅もあるかなぁ!! 」
「ははは!沢山食べるといい!! 」
茶屋の暖簾をくぐる杏寿郎の後に続き、蜜璃は師範がいる幸せを感じて元気になりながら店に入って行った。
…悩むけど、頑張るわ!鬼殺隊は私の探していた場所なんだもの。私には優しい師範の煉獄さんがいる。
負っけないぞ!