第8章 ※ 誰を愛していたとしても…。
「煉獄さんは一泊くらいって言ってたから、下着は二組あれば足りるかな。…あとは、化粧水と日焼け止めと…」
引き出しの中から必需品を選んでいて、軟膏のチューブが目に入った。
不死川さんが買ってくれた軟膏だ。もう半分くらいに減っていた。
「これも持って行った方が良いかなぁ…。もしかしたら煉獄さん、鍛錬しそうだ」
これまで、煉獄さんに鍛えられた際にできた打ち身、師範の竹刀が当たってできた青いあざや傷に塗ってきて、だいぶ減っている。自分が避けきれずに転んだりして、夜な夜な半泣きで塗り込んだ日々もあった。
アルミ製のチューブを取り上げると、冷んやりとした。不死川さんの事が思い出される。怖い方の不死川さんだ。
「あの人、目がギラギラですごい怖いけど、不死川先生にそっくりだから嫌いになんてなれないなぁ、かっこいいし…」
この前の柱合会議で、至近距離で見た怒り狂った顔を思い出すと、震えが来るほど怖かったけど、ひなたの好きな人と同じ顔だから、正直言うと、会うと胸がキュンと反応してしまうのだ。
「こっちの時代の不死川さんは柱かぁ。風柱さん、また会えるかな」
不死川先生のご先祖様だから、できたら仲良くなってみたいと思った。