第4章 白梅と月夜の友人
「どうだったの? 」
「折れても修復は可能だそうだ。癒合促進剤を使って保護するやり方は習ってきた。だけど、ここまで酷いと難しいだろうと言われた。接着して、もしもズレて木が倒れる事があったら危ないから、産屋敷先生はわざとそのままにしてたんだって思ったんだ。子供達がいるからそうしたんだろうな。
また新芽が出るのを待って、どうにかするつもりだったのかもな。なるべく自然なやり方をするのが先生だから」
「そう…」
どうしたら良いだろう。あの白梅がおじいちゃんにとって、どれ程大切なものか分かるだけに、どうしたら良いか分からなかった。
「ああ!どうしたら良いかな。白梅を持って来てあげたい! 」
ひなたが困ってしまって言うと、不死川さんはふっと笑った。
「白梅が一番元気だった時代に戻って取りに行きたいって事か」
またスプーンを持ってグラタンを食べ出した不死川さんの手を、思わず掴んだ。
「それだよ、不死川さん!もう一度、白梅を取りに行くの! 」
「はァ?ひなた、何言ってる…」
不死川さんはまじまじとひなたを見た。
「不死川さんも見たでしょ⁉︎白梅の折れた幹の中の流星群。あの中に入ったら、白梅が若い木だった頃に行けないかな⁉︎ 」
不死川さんは顔を手で覆った。
「お前なァ、追い詰められて、無茶苦茶な事を言い出してるぞ。非科学的だし、第一、あの流星群に引っ張られて辿り着いた時代が、お前の行きたい時代じゃなかったら?仮に白梅を見つけても、どうやってこの時代に戻る? 」
冷静な不死川さんにそう言われると、名案を思いついた気になっていた自分が浅はかに思えてきた。
「…そうだね…」
「そんな危ない事、ひなたにさせられる訳がないだろうがァ」
「う〜ん…」
愈史郎なら、何か知ってるかもしれない。おじいちゃんのために、孫の自分ができる事を諦めたくなかった。