第4章 白梅と月夜の友人
「白梅の事、詳しい人に会いに行ってたんだ。写真を撮って見てもらって来た。忙しい人だから遅くなったんだ。昼に帰れなかったから、様子見に寄ってみた」
不死川さんは家の中の気配を伺う仕草をした。
「なァ、おじさんとおばさんは?呼んでくる? 」
「ううん、いい。おじいちゃんのお世話してるから終わったら来るから。不死川さん先に食べてて」
「悪いな」
不死川さんはお茶を手早く入れると、ひなたにもくれる。
「いただきます。先に食ってごめん」
熱々のグラタンをパクりと口に入れた不死川さんは、目を丸くした。
「これ、アオイさんが作った? 」
「違うよ。アオイさんに習ったの。お昼がグラタンで、すっごく美味しかったからお母さん達にも食べさせたくて。不死川先生はお昼に食べてなかったね」
「本当に美味い」
不死川さんはビックリしていた。この前、たまたまお台所に不死川さんが来た時、玉葱を切る事ができなくて手が震えていたひなたの不器用さを間近で見て知っているから、グラタンを一人で作ったなんて信じられないんだろう。
不死川さんが内心、疑っているのかなと思うと可笑しかった。
「不死川さん、そんなに美味しい?アオイさんの味になってる⁈ 」
不死川さんに美味しいと言われたひなたは、嬉しすぎてキラキラした目で不死川さんの顔を覗き込んだ。
「………腹が減ってたからだァ…」
目が合うと、ボソッと言ってから、不死川さんはちょっと赤くなって、黙々と食べ始めた。
「お父さん達ももうすぐ来るかなぁ。用意しておこっと! 」
皆のランチョンマットを敷いて、グラタンを乗せるお皿を置いているひなたは楽しそうで、そんなひなたを見ていた不死川さんがスプーンを置いた。
「あのさ、ひなた。さっきの話だけど、白梅を見てもらった話」